(2024/12/19 17:00)
日銀は19日の金融政策決定会合で金融政策の維持を決め、無担保コールレート(翌日物)を0・25%程度に誘導する目標を据え置いた。2025年春季労使交渉(春闘)に向けた動きや米国経済の先行きを見極めるためだ。米国は利下げペースの減速が見込まれ、ドル高円安に振れやすい局面となる。日銀は25年1月会合での追加利上げが焦点となる。
日銀の利上げ見送りは市場の予想通りの結果となった。市場は日銀の25年1月会合での利上げを有力視する。一方で米国は25年1月の利下げが見送られる可能性が高くなった。
米連邦準備制度理事会(FRB)は18日(現地時間)、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を公表し、政策金利の0・25%引き下げを決定した。先行きの利下げペースは大幅に鈍化する見通しだ。同時に公表した経済見通しで25年の利下げ回数は2回を示唆し、9月会合時の4回から半減した。
野村証券は「FRBの懸念が景気下振れからインフレ高止まりへと再びシフトしている可能性が示された」と分析する。トランプ新政権による減税や関税政策がインフレ再加速を招きかねない懸念があるとみられる。
米金利市場は10年国債利回りが5カ月ぶりに4・5%を上回り、金利上昇が重しとなって米株式市場はそろって下落。為替市場はドル高が進行し、1ドル=155円台と前日から1円以上の円安となった。米株価の大幅下落を受けて日経平均株価は一時700円超下げた。こうした金融市場の不安定さも、日銀が利上げを見送った背景にあったとみられる。
(2024/12/19 17:00)
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