(2025/1/6 12:00)
村田機械は繊維機械の安全・品質・コスト・納期(SQCD)向上を目的に、主力生産拠点である加賀工場(石川県加賀市)の省人化を進める。複数の取り組みが並行して進む中、目玉となるのは2024年8月に本格量産を始めた新製品の生産体制だ。従来品を上回る性能を持ちながら、これまでより組み立てやすい設計を採用。これにより製品モジュールを無人搬送車(AGV)上で組み立てるという、革新的な生産体制を構築し、生産の効率化を図っている。
「人を増やさずに生産能力を高められる体制を構築する」。加賀工場繊維機械事業部製造部長の山本一穂工場長は省人化について、こう意気込む。同社は30年度までに繊維機械の生産能力を現状比約3割高め、売上高を現状比3割増の1300億円超に伸ばす計画だ。実現に向け、120億円規模の投資を実施するが、その中には生産効率化に向けた投資も含む。
効率化の取り組みの目玉の一つが、24年8月に本格量産を始めた紡績の最終工程を担う「オートワインダー」の新機種「AIcone(アイコン)」だ。
アイコンは同社として初めて装置の主要部分を三つのモジュールで構成する設計とした。各モジュールの部品もモジュール化したことで、生産効率を従来より格段に高めた。これをAGV上に設けた台で、人とAGVが移動しながら組み上げる。完成したモジュールはメーンフレームに簡単に搭載でき、装置を高効率に組み立てられる。
AGV上での組み立てで、生産エリアの縮小と作業間距離の短縮による作業性向上が見込めるほか、「AGVのスピード制御によるカスタマイズ品の混流生産や、生産量の変動に対して(大がかりなライン変更なしに)AGV台数の変更で対応できる」(山本工場長)メリットもある。
既に進める板金や塗装などの自動化に加えて、溶接や工場内物流の自動化、他機種の生産効率化にも取り組み、30年度までに従業員1人当たりの生産性を現状比25%高める。
(2025/1/6 12:00)
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