[ オピニオン ]
(2015/11/19 05:00)
大阪府吹田市の万博記念公園内に19日、西日本最大の大型複合レジャー施設「EXPOCITY(エキスポシティ)」が開業する。17万2000平方メートルの広大な敷地に、八つの大型エンターテイメント施設や、305店舗からなる商業施設「ららぽーと」などが集まる。大阪北部の活性化だけでなく、関西全体への波及効果の期待がかかる。
45年前の大阪万博は6200万人の入場者を引き寄せた。関係者は「あの熱気を再び」と意気込むが、常設の施設は博覧会と大きく異なる。高い集客力を持続するには、事業者だけでなく行政や関係機関が連携して不断に”仕掛け“をすることが重要だ。
エキスポシティは、ジェットコースターの脱輪事故などで2009年に廃園したエキスポランドの跡地に誕生した。コンセプトは「遊ぶ、学ぶ、見つける」。国内屈指の水族館として知られる海遊館(大阪市港区)がプロデュースする新タイプのミュージアムや、日本初の体験型英語教育施設、体験型”エデュメント“施設、シネマコンプレックスなどの施設が集積する。また16年には高さ日本一の大観覧車が完成する予定で、施設全体のシンボルになる。
隣接地には、日本で初めて市民の寄付金でつくることが話題になった吹田市立スタジアム(仮称)が建設中。サッカーJリーグのガンバ大阪がホームスタジアムとして使用する。これら施設の相乗効果で、これまで大阪市内に片寄りがちだった訪日外国人観光客の注目を集めることにもなろう。
ただ、これらの集客効果を大阪北部に限るのではもったいない。エキスポシティは「三世代にわたって楽しい時間を過ごしてもらえる施設」をうたっているものの、宿泊が前提にはなっていない。
一方、大阪市内にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(此花区)など集客力のある施設が多く、宿泊施設も充実している。魅力ある施設が相互に連携し、観光客の滞在期間が増えればそれだけ消費額も増える。エキスポシティの開業を機に、関西全体の観光産業が活性化することを期待したい。
(2015/11/19 05:00)