[ その他 ]
(2015/11/26 05:00)
2004年に他界した宮本順三さんは”グリコのおまけ“のデザイナーとして知られる。大阪府東大阪市にある記念館「豆玩舎ZUNZO(おまけやずんぞ)」では3000点余りのおまけ作品の一部や、世界周遊のコレクションを展示している。今年が生誕100年にあたる▼オルファ(大阪市東成区)相談役の岡田三朗さんは81歳。折る刃式カッターの生みの親だ。2人は15年ほど前に知り合い意気投合。「おまけを少し軽く見ていたが、意外に深くてはまった」▼今では記念館をもり立てるNPO法人「おまけ文化の会」の理事長を務める。「発明は学者だけのものではない。ありふれたものをしっかり見つめたからできた」と岡田さんは折る刃発明の思い出を話す▼おまけ創作で常に子供と向き合い続けた宮本さんのように、岡田さんも刃物を使う紙工作の創作活動を続けている。10月下旬には東大阪市内の商業施設広場で銅鋳物業の若手と、ミニ鋳物と紙工作の子供体験イベントも催した▼「今の時代には合ってないかもしれませんね。ささやかな抵抗です」。宮本さんも経営者としての顔を持っていた。ふたりの地道な活動は、いまだ成長至上主義をひた走る大人世代への問いかけに響く。
(2015/11/26 05:00)