[ その他 ]
(2016/3/4 05:00)
日本語の「青」の範囲はあいまいだ。信号機の「進め」は国際的にグリーンだが、日本では「緑色信号」は定着せず、公式にも青信号。緑色野菜は「青菜」と呼ばれる▼青と緑を同じに扱われては困る業界もある。コーポレートカラーがフレッシュグリーンの三井住友銀行とコズミックブルーのみずほ銀行では、社風だけでなく融資先に対する姿勢も異なる▼「手術に例えれば『青の銀行』は一時的措置で様子を見がち。『緑』は患部を一気に取り除く手法」と、ライバルで『赤』がシンボルの三菱東京UFJ銀行の関係者は分析する。患部全摘は症状が劇的に改善する一方、術後の容体急変リスクもある▼「『緑』が動くのが条件だった」と某金融マンが振り返る。かつて電機大手シャープを巡り、救済融資で食い込もうとの声が現場から上がった。与信担当役員が問題にしたのはシャープのメーンバンクの『青』や『赤』ではなく、小口債権を持つ『緑』が動かないこと。結果的に融資はならなかった▼仮にシャープが全摘手術を受けたら、そのままでは生き残れなかった。延命措置を重ねて療養に出したと”執刀医“は説明するだろう。最適な治療だったかどうかは、患者の今後をみないと分からない。
(2016/3/4 05:00)