[ オピニオン ]
(2016/5/25 05:00)
緑まぶしい宇都宮市で“G10”会合が開かれた。といっても、ギョーザ(G)で町おこしをする全国10市の団体を独立国に見立てた「全国餃子サミット&餃子祭り」。
北は加盟したばかりの『仙台あおば餃子国』から、南の雄、北九州市の『八幡ぎょうざ協和国』まで。焼きや揚げといった種類、具材、味付け、使う道具などで個性を競った。
過去には複雑な“外交問題”もあった。消費額日本一を巡る対立から2010年に『浜松餃子国』で開いた初会合には『宇都宮餃子国』は不参加。今回の共同声明には「独りよがりの『愛情』により、他国や地域社会に迷惑をかけることのないよう、連帯感を醸成する」との文言を盛り込んだ。
ギョーザの消費額を調べる総務省の家計調査は小売店などの購入品が対象。飲食店での消費は含まないため実態を反映していないという意見もある。ただこの消費額の数字がなければ、そもそもギョーザによる町おこしはなかったろう。
具が詰まったギョーザには地元住民の思いを包む魅力がある。宇都宮市長の佐藤栄一さんは「伊勢志摩サミットとどちらが重要か、行政の立場からは言えない」と記者団を笑わせたが“G10”参加者も真剣さでは各国首脳に劣らない。
(2016/5/25 05:00)