[ オピニオン ]
(2016/6/29 05:00)
3月期決算企業の株主総会は今がピーク。不適切会計や建築データ偽装、燃費不正などを起こした企業は株主への説明に苦労している。
不祥事の際に求められる対応を「社長の限界でしょ」と説いた人がいる。社長がどう頑張っても防げないという意味ではなく、不祥事への対応の要諦をまとめた語呂合わせだ。
「社=謝」は、まず最初にすべきことが謝罪。「長=調」は、急ぎ事実関係を調査する。「限=原」は、原因を徹底追究する。「界=改」は改善策を打ち出し、再発防止を図らねばならない。「しょ=処」は、責任の大きさに応じて最終的な処分を決めるというわけだ。
不祥事を起こした場合、謝罪は当たり前。だが中には言い訳がましくて謝意が伝わってこないものもある。まれに原因追究がおろそかで、再発防止策のないケースすらあり、何をかいわんや、である。
不祥事は政治の世界でも頻発する。中でも政治とカネの問題は、時には閣僚や自治体の首長の辞職に発展する。ただ政治家の場合、謝罪して処分(辞職)すれば原因追究も再発防止策も忘れられがちになり、後味の悪さを残すことが少なくない。政治家は社長ではないが、「社長の限界でしょ」をかみしめてほしい。
(2016/6/29 05:00)