[ オピニオン ]
(2016/7/1 05:00)
昨年来、何度かドイツに出張して気になったのは、乗り物の遅れだ。最初のフランクフルト便は出発が17時間遅れた。関西空港の地上職員は「ドイツ行きでは珍しいこと」と話していたが、これが悪い印象のきっかけだったかもしれない。
4月の広島の先進7カ国外相会合ではドイツの外相を乗せた飛行機が中国で遅れ、あやうく日独外相会談が流れるところだった。「なんだ、やっぱり遅れるじゃないか」という気にさせられた。
疲れて現地に着いた日に列車が遅れ、ドイツ鉄道のホームで1時間ほど待たされたのも辛かった。見ると駅の電光掲示板には「5分遅れ」、「30分遅れ」などの表示がある。これは実際に待っても、ほぼ正確だった。ならば最初から時間通り運行できないのかと思う。
海外の鉄道に詳しい知人は「英国やフランスに比べればドイツは正確な方」と言う。しかし遅れがわずかでも乗り継ぎできなければ結果は同じだし、イライラさせられる気持ちも変わらない。
時間に正確というドイツ人のイメージはすっかり崩れてしまったが、むしろ日本の電車の定時運行が貴重なのかもしれない。優れた車両や機材より、運用する体制がサービスの優劣を決めることを実感させられた。
(2016/7/1 05:00)