[ オピニオン ]
(2017/1/20 05:00)
週末、家族と最寄りの駅に向かう途中で呼び止められた。「お出かけですか。留守の方はいますか?」。見れば作業着姿の宅配便の配達員だ。「この後、お届けする荷物があります」という。
通信販売をよく利用するため、毎日のように自宅に荷物が届く。ここ数年はふるさと納税による返礼品も加わった。冷蔵・冷凍便など手間のかかる受け渡しもあり、受領印を押す家族の顔を覚えていたのだろう。
最近の人手不足で、運送会社が従業員の確保に苦しんでいるという。不在で受け取れないのは申し訳ないし、当方としても再配達の連絡は面倒だ。通販などはできる限り、決まった曜日と時間帯を指定するが、業者によって対応はまちまち。
これでは宅配便の生産性向上は難しい。困ったものですね―と賀詞交歓会でお会いした首脳に話すと、返ってきたのは「地域で運送会社を分けるしかないかなぁ」という意外な答え。
つまり東京都××区はどの業者の担当−などと決め、互いに委託しあう。そんなことを研究しているらしい。一歩間違うと地域独占だが、激戦区の事業者が真剣に悩んだ結果とすれば聞き捨てにできない。単純な自由競争だけでは、サービス業の生産性向上は難しいのかもしれない。
(2017/1/20 05:00)