[ オピニオン ]
(2017/9/26 05:00)
歌手の安室奈美恵さんが1年後の引退を発表した。2000年の九州・沖縄サミットでイメージソングを歌い、その後の沖縄ブームの素地をつくった。沖縄では地元紙が1面トップで報じるなど衝撃が走った。
ゴルフの宮里藍選手も、現役生活に区切りを付けた。こちらも沖縄出身ゴルファーの一時代を築いた。5月には兄・優作選手の地元優勝に駆けつけ、盛り上げに一役買った。
沖縄には地縁・血縁が色濃く残る。関係の濃淡はあるが、最終的に沖縄自体が地縁になる。沖縄人を表す「ウチナーンチュ」「(沖縄)県系人」との言葉が最たる例で、安室さんらへの愛着は縁ゆえであろう。
ビジネスでも縁は重視される。「同郷の先輩後輩の関係を新規開拓につなげる」「姻戚で契約を切れない」というのはよく聞く話。沖縄で仕事を広げるには「地元の人と結婚するのが一番」と助言する人もいる。
縁の力は海外にも広がる。「ワールドワイド・ウチナーンチュ・ビジネス・ネットワーク(WUB)」は、各国に支部を持つ県系経済人の交流組織だ。単なる県人会の枠を超え、移民や子孫にも関係は連なり、企業の海外展開も支援する。心強い“縁の下の力持ち”に支えられている沖縄の人がうらやましい。
(2017/9/26 05:00)