[ オピニオン ]
(2017/11/14 05:00)
私事で恐縮だが、半年を超す長期入院を経て復帰した。病名は、発症した人の3分の1が亡くなり、3分の1が重篤な後遺症に悩まされるという「くも膜下出血」である。
回復の道を許された3分の1に入れたことは、幸運の一語に尽きる。入院後、直ちに手術を受けたが、術後の意識レベルは低く、2カ月近くの間、ほぼ寝たきり状態だった。
体重は10キログラム以上減少し、大殿筋、中殿筋、大腿四頭筋、腹筋などがやせ細った。そのため立つことはおろか、座ることもままならず、リハビリでの課題は山積みだった。
基本的な運動能力の回復に向けた理学療法士のトレーニングに加え、作業療法士による着替えなど日常生活に必要な動作のトレーニングに取り組む。セラピストの先生方はそれぞれの知識や経験に基づいて技術を駆使してくれた。その裏にある患者への熱い思いを感じることもしばしばだった。
リハビリを始めてすぐ「自分の足で歩いて退院する」と高い目標を掲げた。結果的に、移動手段は車椅子→歩行器→杖2本→杖1本とステップアップ。退院日が決まってからは足腰の筋トレが強度を増し、さながらジムのよう。この先も自主トレを続け、杖なしで自由自在に歩けるようになりたい。
(2017/11/14 05:00)