[ オピニオン ]
(2017/11/27 05:00)
山口県の産品を首都圏で販売する「地域商社やまぐち」(下関市)が発足した。自治体と金融機関が連携し、商品開発から販売まで取り組むのは全国でも初の試みという。成否が注目される。
全国には地域を代表する特産や名産品が多くある。食品では松阪牛や夕張メロン、工芸品なら南部鉄器や有田焼などが知られる。名前を聞いただけで商品や産地を連想させる高いブランド力が地域経済を支えている。逆にいえばブランド力をつけることで、地域の埋もれた名産品を発掘できる。
地域商社やまぐちは、こうした狙いで山口フィナンシャルグループ(FG)が中心となって出資・設立した。農林水産品や6次産品を主に首都圏で販売する。物産を売り込みたい地元市町村と、産業活性化を狙う山口FGの思惑が合致した。
2015年から生産者や商社を調査して商品を厳選。第1弾として高級和栗や日本酒を使ったスイーツ、ジャム、かまぼこなど11種類を選んだ。「やまぐち三ツ星セレクション」と銘打ち、高級食材店や宿泊施設向けに販売する。今後は生鮮食品や工芸品も加え、3年後をめどに1億円超の売上高を目指す。
県内には下関のフグや萩の夏みかんなどの全国ブランドもあるが、規模の小さな産品の全国展開は難しい。地域商社やまぐちは担当者を首都圏に常駐させ、中小企業では難しいマーケティングや販路開拓を手伝う。
また大手商社が参入しない多品種少量品の製品化や営業を担うことで、県産品全体のブランドイメージ底上げを狙うなど生産者支援に力点を置いている。山口県の村岡嗣政知事は「モノづくりだけでなくデザインやマーケティングにも力を入れる。官民挙げて一大消費地で販路を拡大する」と意気込む。
山口に限らず、少子・高齢化に悩む地方都市では地域産品の担い手も減少し、存続すら危ういものもあるという。雇用や産業振興の点からも、地域商社やまぐちの取り組みは地域経済の生き残りのモデルケースになる可能性を秘めている。
(2017/11/27 05:00)
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