(2023/10/24 05:00)
どちらの側から捉えるかで物事の見え方は全く異なる。労働組合の中央組織「連合」が2024年春闘の賃上げ率の目標を「5%以上」としたことに、早くも中小企業の経営側からは「難しい」との声が上がる。
一方で、この目標を公表した連合の会見の終盤は記者から「控えめ過ぎる」との声が相次いだ。「はなから経営側のストライクゾーンにボールを投げている。これで交渉になるのか」との手厳しい意見も。長年、労働運動を取材しているベテラン記者と推察する。
春闘における交渉の主役は各産業別の労働組合だが、連合は労組全体の方向性を決定する役割を果たす。24年は賃上げを起点とする経済好循環によるデフレ脱却に道筋を付けられるかの正念場にあるだけに、働く人の生活向上はもとより、マクロ的な視点が一層問われる。
政権との距離感が縮まっていると映る背景には、24年春闘は極めて重要との共通認識が醸成されている事実がある。
賃金、物価とも安定的に上昇する経済社会へステージ転換する最大のカギは「社会全体で問題意識を共有し、持続的な賃上げを実現すること」。春闘の基本構想に盛り込まれたこの一文が今の連合が置かれた状況を如実に表す。
(2023/10/24 05:00)
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