森六ホールディングス、女性社員活躍へ環境作り 総合職対象に研修

(2023/10/24 12:00)

森六ホールディングス(HD)は多様な人材が活躍できる組織作りに取り組む一環として、初めて総合職の女性社員を対象にした研修を実施した。女性総合職社員それぞれの強みや個性の理解、グループワークを通じた横のつながり作りなどに取り組んだ。研修とそのフィードバックを通じて女性社員をはじめ多様な社員が働きやすい職場環境に必要なマインド整備を図る狙いだ。

  •     女性社員研修の様子

今回始めた研修に参加するのは、グループ企業も含めて女性社員29人。研修の対象となる女性総合職社員は営業や経理、開発や設計など幅広い業務を担当する。参加者のターゲットは20代後半から50代前半のリーダークラスや中堅層。12月までに計3回実施する研修は、講師による講義のほか、受講者によるグループワークなどで構成。各回の研修終了後はアクションプランを策定し、各職場で実践する。

森六HDでは以前より、在宅勤務やフレックスタイム制度、看護休暇の有給化、子の小学校就学前まで時短勤務可能な育児制度の拡充など、社員それぞれの生活に応じた働き方を可能にする制度の整備を進めてきた。

一方、社内の調査では結婚や出産を機に退職した中堅クラスの女性総合職が少なくなかった。部署によっては「この仕事は女性には向かない」といった無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)や、女性社員のロールモデル不在による将来的なキャリアへの不安などが、女性社員の活躍を促進する上で課題になっていたという。

  • 講義で使用した、アンコンシャスバイアスに関するテキスト

多様な人材が活躍できるようにするダイバーシティー&インクルージョン(D&I)に取り組み始めるとともに、女性社員が個性を生かし能力を発揮できる環境作りが必要との考えから、初の女性社員向け研修を立案。参加者の反応や講義の進捗(しんちょく)に柔軟に対応するため、独自の設計にこだわった。

また「全ての社員にとって働きやすい環境作りには上司の理解、職場の支援が必要」(関利枝人事部人事課リーダー)との考えから、研修受講者が所属する部署の管理職社員を対象に約4時間の研修を事前に実施。研修後の支援体制も整備した。

女性社員研修の初回は個々の強みを知ることや、アンコンシャスバイアスについての講義とグループワークを実施した。勤務する拠点が異なる女性社員間の交流促進による「横のつながり」の創出する効果もあったという。研修の設計に携わり、受講者としても参加した関リーダーは「第一歩を踏み出せて良かった。研修へのフィードバックを通して、職場環境の改善に努めていきたい」と手応えを示す。

研修では各回終了後にアンケートを実施し、参加者の意識の変化を定点観測するほか、働きやすい環境整備に対する意見を聴取する。今後アンケートなどを通じて得た意見や成果などを生かし、多様な人材が活躍できる職場環境整備につなげる方針だ。

(2023/10/24 12:00)

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