(2023/11/6 05:00)
都内で開かれた世界デザイン会議を取材した。基調講演に立った工業デザイナーのアイセ・バーセルさんは「難しい状況になった今こそデザインが必要」と聴衆に語りかけていた。
60年余の歴史があるこの会議が日本で開かれるのは34年ぶり。デザインはその時々の世の動きを映し出す。コロナ禍を経て今回は、経済成長のためのイノベーションやソリューションに力点を置いてきたデザインを見つめ直した。
“デザイン経営”というビジネス手法が経済産業省により定義されたのは2018年。三菱総合研究所が行った活用実態調査では、20年2月と23年3―4月の比較で、デザイン経営の推進状況は横ばい。費用対効果の説明が困難など推進上の課題は解決されていない。
会議のテーマは“デザイン・ビヨンド”。経済成長を超えて、デザインが社会の未来にもたらせるものは何か。バーセルさんは「自分が語る物語から離れること」と言う。先入観や偏見を取り払うことで新たなデザインは生まれる。
2023グッドデザイン大賞は、地域の人たちが立ち寄れる、長さ52間の縁側のような老人デイサービスセンターが選ばれた。社会を考えてデザインする時代となったようだ。
(2023/11/6 05:00)
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