産業春秋/中小の賃上げ、価格転嫁と省人化投資を

(2023/11/29 05:00)

中小企業の賃上げ原資をいかに確保するかが、2024年春闘の最大の焦点になる。賃上げ分を取引価格に上乗せする「価格転嫁」を実現できれば、中小企業は人材確保に向けた賃上げに動きやすくなる。

経済産業省・中小企業庁が28日に発表した9月調査では、コスト全体の価格転嫁率は45・7%で、3月調査の47・6%を下回った。ただ「全く転嫁できなかった」「コストが増加したのに減額された」は合わせて20・7%で、3月調査の23・5%を下回り、転嫁の裾野は広がりつつあるとみる。

まだまだ低い転嫁率、特に労務費の上昇分の転嫁を進めることが大きな課題になる。経団連の十倉雅和会長は27日の会見で、24年春闘は「中小企業の価格転嫁が進むかどうかだ」と語り、取引適正化を進めるよう訴えた。

経済同友会と連合による28日の懇談会でも継続的な賃上げで一致し、連合の芳野友子会長は労務費転嫁が必須だと伝えていた。

日本ロボット工業会と日刊工業新聞社が主催する「2023国際ロボット展」がきょう29日開幕する。人手不足に対応する協働ロボットなどが数多く展示される。価格転嫁と同時に、中小企業は政府支援を受けつつ省人化投資も検討したい。

(2023/11/29 05:00)

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