(2024/2/1 05:00)
政府税制調査会の会長に、日本総合研究所の翁百合理事長が就任した。女性の会長就任は初めて。家庭と仕事を両立した経験も踏まえ、バランス良く議論していきたいという。長期的な財政の持続可能性を重視しており、財政健全化への後押しも期待される。
政府税制調査会と自民党税制調査会。税調にはこの二つがある。政府税調は首相の諮問機関で、学者を中心に、中長期の視点で税制のあるべき姿を議論する。自民税調は党の調査会の一つで、翌年度の税制改正を決定する。
1979年以降、自民税調会長を2度務め、ドンと呼ばれた山中貞則氏。「政府税調は軽視しない、無視する」と発言し、権威を振るったのも今は昔。官邸主導に移行し、自民税調の権威が失墜しつつあるように映る。
岸田文雄首相は2023年10月、自民税調に先んじて所得・住民税の定額減税を表明。首相は内閣支持率が停滞する中で増税より減税を優先し、自民税調は防衛増税時期の23年内の決定も断念した。
さて政府税調。翁会長は税と社会保障を合わせた国民負担率の行方を注視しているようだ。現役世代の負担軽減で分厚い中間層を形成し、持続的な賃上げにつなげる議論を深めてほしい。
(2024/2/1 05:00)
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