(2024/2/7 12:00)
外国人材の住環境に配慮
伊藤製作所(三重県四日市市、伊藤竜平社長)は、精密プレス加工に使う順送り金型の設計製作と同加工による自動車部品の量産が主力。以前から女性が活躍できる企業風土があり、その流れは今も続く。フィリピンとインドネシアの各拠点から日本の国内工場に来ている外国人材の活躍も目立つようになった。こうした多様な人材が同社の現場を支えており、より働きやすい体制や社内環境の整備を進めている。
伊藤製作所には国が女性活躍推進を唱える以前から女性が活躍できる企業風土が存在し、男性と同じ仕事をする場面があった。これまでにワイヤカット放電加工機による金型部品の製作、プレス加工機による自動車部品の量産のほか、クレーンやフォークリフトを扱う女性がいた。
現在も製品の測定や検査工程で多くの女性が活躍する。男性のみだった技術営業や設計部門においても女性が実力を付けてきた。伊藤社長は「課長や部長を目指して頑張ってほしい」と語る。現在、正社員の割合は男性55%、女性45%だが、「数年で逆転するだろう」(伊藤社長)とし、同社の成長を支えていく女性の活躍に期待を寄せる。
2022年稼働のテクニカルセンター(三重県四日市市)は、天井・壁紙といった内装やトイレなどの付随設備について、女性が使いやすいように気を配った。今後も女性が活躍できる社内環境と企業風土を維持していく考えだ。
一方で外国人材の活躍も目立つ。同社は1995年にフィリピン、2013年にインドネシアに進出。二つの海外工場と国内工場の間で連携を密に取り、技術や設備、品質レベルを標準化。グローバル生産体制を構築している。
現在、二つの現地法人の社員計7人が日本の国内工場のプレス加工ラインや設計部門などに配属されている。10年以上の経験者で希望した人の中から選抜した人材で、貴重な戦力としてそれぞれの現場で活躍する。
それを支える福利厚生の一環として、外国人材用のアパート9世帯分をリフォームしている。1世帯分は3部屋プラス台所。室内には最新の設備を入れており、入居者から好評を得ている。引き続き外国人材が働きやすい社内環境を整備し、活躍を後押しする。
(2024/2/7 12:00)
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