エフイーシー、12種超のIoTセンサー製品化

(2024/3/4 12:00)

  • 12種類以上のセンサーを用意した「IoTトライアル・キット」

エフイーシー(福島市、石崎孝行社長)は、工場自動化(FA)やOAの業務用途に対し、「市場にないハードウエアは自前で開発する」というコンセプトを掲げたシステムインテグレーター(SIer)。

創業間もない頃にはビデオテープやカセットテープを製造する工場向けに、録音時間の異なるテープの段取り替えをパソコンから行えるオリジナルの制御装置や生産・実績管理システムを納入し、発展の起爆剤となった。

次いで大手繊維メーカーには、電子回路基板の製造に使われるガラス繊維の糸切れ部分を自動検出し、その情報をガラス繊維ロールの顧客に提供するとともに、何百台もの織機を集中管理する仕組みを作り上げた。

こうした実績から顧客が徐々に広がり、飲料メーカー向けには超高速で移動する缶に中身を注ぎ込む充填ラインのトラブル検出システムを開発。高野浩樹会長によれば「毎分1000本を超えるスピードで缶が流れてくるため、プログラマブルコントローラー(PLC)では処理が追い付かなかった」という。

それを光センサーとデータを並列処理する独自のハードウエアを組み合わせることで、トラブル発生時のラインの不具合箇所の即時検知を可能にした。

一方、自社製品としてパソコンのUSBポートに接続できる「IoTトライアル・キット」を製品化。福島県ロボット関連産業基盤強化事業にも採択された。電圧・電流から、温湿度・気圧、加速度・ジャイロ、照度、熱電対温度、二酸化炭素(CO2)・揮発性有機化合物など12種類以上のセンサーを用意する。

パソコンでの集中監視やデータの収集・記録が容易に行え、数万뗙数十万円の低コストで、遠方からの現場の状況把握や故障原因の究明といった用途に役立てられるという。

「基本的にはエンジニアを人材派遣に回すことなく、SIerとして福島の地で事業を進める。そのためにソフトもハードも、工程管理や製造原価報告書、在庫・仕掛かり管理などFAとOA両方にまたがる領域にも事業を拡大させ、強みにしていきたい」。高野会長はこう展望する。

(2024/3/4 12:00)

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