(2024/5/13 17:00)
原材料高の価格転嫁進む
上場企業の2024年3月期決算は当期利益の合計額が48兆円を上回り、3期連続で過去最高を更新する見通しだ。10日までに開示した企業のうち当期損益ベースで増益だった比率は65%を超え、好業績企業の裾野が広がっている。原材料などのコスト増に伴う価格転嫁が進んだ。歴史的な円安やコロナ禍で落ち込んでいた消費の回復も追い風となった。
25年3月期は半導体関連の需要回復が波及する電機や精密などを中心に幅広い業種で増益を見込む。一方で中東情勢の動向が日本経済に与える影響を警戒する声もある。
SMBC日興証券が東証プライム市場の上場企業のうち3月期決算会社の1292社(金融を除く)を対象に集計した。10日時点で全体の56%に当たる720社が発表を終え、24年3月期の当期利益の合計(同)は前期比14%増の33兆5679億円だった。製造業は同24%増の18兆7179億円、非製造業は同4%増の14兆8499億円で、製造業のけん引が顕著だ。
決算未発表企業の市場予想を加えた上場企業全体では同17%増の48兆7970億円となり、3期続けて最高益となる公算が大きい。効率的に稼ぐ力を示す売上高当期利益率も約8・1%と、前期の同7・1%を上回りそうだ。コロナ禍からの回復局面で利益が出やすかった22年3月期に並び、08年のリーマン・ショック以降で最高水準になる。売上高当期利益率は日本企業の自己資本利益率(ROE)を左右する要素の一つで、投資家の注目度が高い。
(2024/5/13 17:00)
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