メイワ、容器の位置決めを自動化する充填装置開発

(2024/6/24 12:00)

  • 容器位置決め用のネジ型部品を不要にした「オートチェンジャー付容量式充填装置」

メイワ(和歌山県紀の川市、高橋正和社長)は、中堅食品メーカー向けに調味料やジャムなど液状の食品を瓶やボトルなどの容器に充填する装置を製造、販売している。ジャムの充填装置に関しては国内で7割のシェアを握り、用途は化粧品や医薬品にも広がっている。

近年の人手不足は深刻だ。多くの人手に頼る食品メーカーは作業の自動化を進めたいが、高価なロボットの導入に二の足を踏む企業も多い。また多品種少量生産体制の場合、別の食品の充填のために装置を洗浄するなど、食品の充填に関わらない時間が多く発生することも課題だ。

こうした顧客の課題解決のため、容器の位置決めを自動化できる充填装置「オートチェンジャー付容量式充填装置」を開発し10月にも受注を始める。容器に食品を充填する際にはライン上を流れる容器の正確な位置決めが求められるが、そのために必要だった物体を一定の間隔で並べるネジ型部品を不要にし作業効率を向上させた。

従来、充填する食品を切り替える際、容器の形や大きさに応じ専用のネジ型部品に交換しなければならない。そのため交換の手間や複数の種類のネジ型部品の準備が必要だった。営業グループの道端宏和グループマネージャーは「食品工場では人が集まりにくく、省人・省力化を目標に掲げている。人手がかからない環境をつくりたい」と意気込む。

液体の充填量は300ミリ―1000ミリリットルで、1分当たり300ミリリットルの容器40本分を充填できる。さらにタッチパネルの操作で条件設定が可能。価格は数千万円で、年間10台の販売を見込む。

今後、デジタルや人工知能(AI)などを活用し付加価値が高い製品を投入する。高橋健太副社長は「下請けの仕事では価格転嫁しにくいこともある。だが、自社ブランドで他社にない価値を顧客に提供できれば適正な価格転嫁につながる」と明かす。顧客の自動化ニーズに貢献し自社の成長につなげていく。

(2024/6/24 12:00)

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