リズム、直動部品ネジ締めにロボ導入 組み立て生産量2割増

(2024/7/1 12:00)

2020年にリズム時計工業と東北リズム、リズム協伸の3社が合併して商号変更したリズム。時計や小型扇風機、加湿器といった生活用品事業と、精密部品事業を手がける。その中でも金型やプラスチック成形部品の製作、部品などの組み立てを担う同社の会津工場(福島県会津若松市)では、20年ごろから多関節ロボットの活用を進めている。

  • ネジ締め工程で活躍するロボット

同工場は大手機械メーカーにOEM(相手先ブランド)供給する直動ガイドの組み立てを行っている。直動ガイドのレール上を動く「ブロック」と呼ばれる金属部品に樹脂成形部品を固定する際、4カ所にネジを締める工程がある。従来は治具に部品をセットして作業者がドライバーでネジ締めを行っていたが、OEM先からの注文が増加し、人手作業では数をこなせないことが課題となっていた。

そこで導入したのが安川電機製の6軸多関節ロボットだ。従来の手作業によるブロックの生産数は1日当たり約720個だったが、ロボットの導入で同約1330個を実現した。ブロック製作に充てていた作業員を組み立て工程に割り振れるようになり、組み立ての生産量は約2割増となった。

ロボット導入に向けた検討段階では、価格や制御などの面で導入しやすい直交型のロボットも候補に挙がったという。ただ、今後の活用領域の拡大も想定し、人間の手のように多様な動きができ、さまざまな展開の可能性がある多関節ロボットの導入を決めた。

同ロボットの導入は社内スキルの向上にも効果があった。会津工場の渡部誠工場長は「現場の人が使いこなせるように、みんなで勉強しながら立ち上げていったため、幅広い人材育成につながった」と振り返る。

今後の展開について、渡部工場長は「人工知能(AI)活用やデジタル変革(DX)、自動化が叫ばれる中で、機械に置き換える部分を増やしていき、さらなる省人化に向けて取り組んでいきたい」と語る。

(2024/7/1 12:00)

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