H3ロケット3号機、打ち上げ成功

(2024/7/1 12:50)

  • 1日12時06分種子島宇宙センターからH3ロケット3号機は無事打ち上げられた

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日、三菱重工業と開発した大型基幹ロケット「H3」3号機の打ち上げに成功した。積み荷として地球観測衛星「だいち4号」を搭載し、同日12時6分にJAXA種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げた。打ち上げから約16分後に衛星を分離。予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。H3は大型衛星の宇宙輸送に初めて成功し、今後の日本の宇宙輸送に弾みを付けた。

だいち4号はJAXAと三菱電機が共同開発し、従来機「だいち2号」の後継機として大規模災害時の緊急観測などに活用できる。地表へ放出した電波の反射波を調べる合成開口レーダー(SAR)を搭載しており、夜間や悪天候でも観測できる。打ち上げ後は約3日間かけて姿勢の確立、太陽電池・アンテナの展開といった事前運用を行い、6カ月ほどかけて初期確認や校正などを実施する。打ち上げから半年過ぎにも定常観測運用に移行する予定。

H3試験機1号機には光学衛星「だいち3号」を搭載していたが、打ち上げ失敗で衛星は喪失した。これを受けてH3試験機2号機では大型衛星は載せずにダミー衛星を搭載し、打ち上げに成功した。H3ロケット3号機では本物の大型衛星を載せ、目的の軌道に投入。H3のメーンミッションである大型衛星の宇宙輸送を達成した。

H3は従来機「H2A」の後継機であり、海外からの需要も含めて輸送コストを従来の半額の約50億円にすることが目標だ。打ち上げ後の振動の少なさや時間通りに打ち上げる正確性といった日本ならではの技術が盛り込まれている。他国にない安全安心な宇宙輸送の提供を目指す。

(2024/7/1 12:50)

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