狭い空間も設置可能な装置追求 ティ・アイ・エス、個別対応強みに課題解決

(2024/7/8 12:00)

ティ・アイ・エス(福岡市博多区、平川誠一社長)は、機械・電気分野での設計、製作、メンテナンス業者。ロボットシステムインテグレーター(SIer)でもあり、パラレルリンクロボットや6軸ロボットを使い生産現場の生産性向上や省力化を実現する自動化・半自動化装置やラインの構築が得意だ。

  • 蒸したての菓子をロボットがトレーに投入する

同社の強みはオーダーメード対応。提案から打ち合わせ、設計製作、組み立て、据え付け調整、操作教育、メンテナンスまで手がける。同社の「FA」「エコシステム」「サービス」の3事業が協力し合って相乗効果を生む。

高木保幸執行役員FA事業部長は「どんなに狭い空間でも設置できる装置を工夫して製作する。何か起きたときのトラブルに迅速対応する体制も強み」と胸を張る。装置導入を検討するが場所の問題で設置できない、といった課題をいくつも解決してきた。

現在、医療や食品業界からの要望が増えている。具体的に、医療ではさまざまな病気向け検査キットの組み立てを自動化する装置。食品では製造ラインから出てきた食品をトレーや箱に詰める自動ラインだ。明石屋菓子店(鹿児島市)の菓子「かるかん」や三島食品(広島市中区)のふりかけ「ゆかり」などの梱包(こんぽう)ラインを製作した。

「要素技術の開発力が高い」(高木ティ・アイ・エス執行役員)のも強み。例えば、約80度Cで蒸した直後のかるかんへの対応。軟らかい表面に跡を付けないよう移動させ、ピッキングや箱詰めをできるようにするには独自の技術を要した。また同じライン上で、あんこ入りの丸い形状と直方体の両方のかるかんに対応する切り替え技術にも独自の工夫を施した。

課題は設計や組み立てのキャパシティー不足。医療や食品業界からの自動化システム構築の依頼件数は、コロナ禍以前に比べて約2倍に増えているという。今後、設計は自社で行い、一部の組み立ては協力企業に委託することを計画する。

(2024/7/8 12:00)

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