産業春秋/円安、トランプ氏再選で加速か?

(2024/7/12 05:00)

2024年は歴史的な「辰巳(たつみ)天井」の年と言える。相場格言によると、辰年と巳年の株価は天井まで上昇するという。11日の東京株式市場の日経平均株価は、史上初めて4万2000円台に突入するなど過熱気味でもある。

11日の株高の起点は米国。米FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が9日(現地時間)の議会証言で、9月の利下げの可能性を示唆したことが米国株、さらに日本株にも波及した形だ。

ただ日米の政策金利差は5%超と大きい。日銀が30、31の両日の会合で追加利上げを決めても金利差縮小には時間がかかる。11日の東京外国為替市場の円相場もパウエル発言への反応は鈍く、約38年ぶりの1ドル=161円台の円安で推移した。

米大統領選挙。「自国第一」のトランプ前大統領は、過度な円安・ドル高は「米国にとって大惨事」とドル高是正を望む。日本には好都合のように映るが、「もしトラ」はむしろ円安が進行する可能性がある。

全ての輸入品に一律10%(中国は60%)の関税をかけ、厳しい移民制限で人手不足が深刻化すればインフレが促され、為替相場はドル高に傾きやすくなる。高齢に懸念が残るものの、されどバイデン大統領か。

(2024/7/12 05:00)

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