産業春秋／公立高校の男女別学は差別か？

公立高校の男女別学は差別か否か。埼玉県の判断はいかに。県の第三者機関「埼玉県男女共同参画苦情処理委員」は埼玉県教育長に対して、女子差別撤廃条約に違反する事態の是正措置について、８月末までに報告書を提出するよう勧告している。埼玉県立は現在、男子校５校、女子校７校。男女別学に対する苦情は２０００年度と０１年度にもあった。

この時には、別学校の伝統を背景に「多くの県民に支持されている」として、早期の共学化との結論に至らなかったと０２年度に報告している。

今回の勧告をみると、別学で教育に差があることが見て取れる。理系教員の比率は男子校３５・３％に対し女子校３０・９％。リケジョ志望は増えているが。目指す学校像は男子校が「リーダー育成」、女子校が「地域に貢献」を掲げるところが多い。公立の男女別学校は明治以来の歴史を持つところが多い。しかし、ここ２０年で減少し、残るは埼玉、栃木、群馬の各県など。共学化の理由は少子化が影響しているという。

私も妻も県立の別学校を卒業し、埼玉の別学校出身の知り合いも多い。現役の中高生の間では見方が分かれているようだが、教育の機会均等については異論はないだろう。