小林製薬、会長・社長辞任 社長後任に山根聡氏

紅麹問題の責任明確化

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  山根氏

小林製薬は２３日、小林一雅会長（８４）と小林章浩社長（５３）が辞任すると発表した。同社の紅麹原料を含むサプリメントで健康被害が発生し、公表も後手に回った点などを踏まえ、経営責任を明確化する。章浩氏の後任として山根聡専務（６４）が８月８日付で社長に昇格する。創業家出身以外の社長就任は初めて。一雅氏は７月２３日付で特別顧問に就いた。章浩氏は８月８日付で取締役補償担当に就任する。

同社は１月中旬に医師から腎疾患などの症例の報告を受けたが、公表したのは３月２２日だった。４月に弁護士３人からなる事実検証委員会を設置。同委員会は調査報告書で、「遅くとも２月上旬以降に健康被害状況の公表や製品回収に力点を置き、行政当局にも相談する姿勢が強く求められた」と指摘した。

取締役会では調査報告書を踏まえ、危機管理における経営のリーダーシップの発揮がなされなかったなどの問題が重なって消費者への注意喚起や製品回収が遅れたと総括した。

また、章浩氏は１―６月の月額報酬額の５０％を、山根氏は同４０％を、それぞれ自主返上することを決めた。

【略歴】山根聡氏（やまね・さとし）８３年（昭５８）立命館大法卒、同年小林製薬入社。０４年執行役員、０６年取締役、１１年常務、１６年専務。京都府出身。