産業春秋／「2段構え」の物価高対策どうなる

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岸田文雄首相は６月に「２段構え」の物価高対策を講じると表明していた。第１弾は、ガソリン補助金を年内継続するほか、「酷暑乗り切り緊急支援」として、８―１０月に電気・ガス料金への補助金を再開するというものだ。

第１弾は時限的な施策ながら、一定の効果を見込めそうだ。政府試算によると、２０２４年度の消費者物価上昇率は２・８％と予測し、電気・ガス料金の補助金再開がなければ３・３％前後に上昇するという。

問題は第２弾だ。秋に講じる経済対策の一環として、低所得者向け給付金を再度支給するほか、地方交付金を拡充して地方経済を支援するという内容だ。飼料が高騰している農林水産業や中小企業、医療・介護・保育、地域観光業などが対象になるという。

岸田首相は９月３０日に、自民党総裁の任期満了を迎える。政治資金問題で内閣支持率は一向に浮揚せず、総裁選後に政府が講じるとみられる経済対策の行方も流動化しかねない。

９―１０月は日米が金融政策を転換し、円安が是正されると期待されている。エコノミストの間では秋に実質賃金がプラス転換するとの指摘もある。総理・総裁や経済対策の行方によらず、経済は順調に好循環に向かう？