(2024/10/11 05:00)
1-9月のラーメン店倒産が47件となり、年間最多だった2023年の45件をすでに上回っている(東京商工リサーチ調べ)。食材費や光熱費、人件費が上昇。一方で提供価格「1000円の壁」に阻まれ、特に小・零細規模店が苦境に陥っている。
元々、ラーメン店は参入障壁が低い。半面、廃業率も高く競争が激しい業態だ。22年は、持続化給付金や“ゼロゼロ融資”に支えられ、倒産は21件だった。だがコロナ禍が明け、状況は変わった。10月からは最低賃金も上がり、さらにコストアップになる。24年は60件を超える可能性がある。
ラーメン店には九州勤務の時によく行った。豚骨と一括(ひとくく)りにされがちだが、地域ごとに味が違う。福岡市内には各地の味の店がしのぎを削り、楽しめた。地元の人たちは観光客が集まる有名店よりも、それぞれ近くの店をなじみにしていた。
コストは上がるが値上げがままならない。となれば、生き残りにはオペレーションの効率が必要だ。券売機は中小企業省力化投資補助金の対象である。
倒産は新規参入が多い都市圏で目立つ。差別化には味の追求が欠かせない。取り巻く環境はどの業種も同じ。生産性の向上と差別化により勝ち残りたい。
(2024/10/11 05:00)