(2023/11/20 12:00)
フジ矢(大阪府東大阪市、野崎恭伸社長)は、中小製造業向けに工場自動化(FA)機器の外販事業を12月末にも始める。ベトナムに製造拠点を設置し、研磨やバリ取りなどに特化したロボットによるFAシステムを製造・販売する。特定の作業に特化した安価なロボットを提供し、人手不足に悩む中小の生産性向上に貢献する。
フジ矢はペンチやニッパーなどの作業工具の製造・販売を手がける。工具の製造に携わる中で、研磨やバリ取りなどのロボットシステムを開発し、自社工場に導入することで効率化を進めてきた。
こうしたノウハウを生かし、バリ取りや面取り、研磨と溶接スパッタ落としなどに特化したロボットシステムを外販する。すでに自社工場で実績があるFAシステムを販売するため、信頼性が高く顧客の工場での素早い立ち上げが可能だ。
野崎社長は「我々が目指すのは中小の製造システムの自動化。導入コストを抑え、各工場に合ったFAを進める」と強調する。ロボット1台を含むFAシステムで600万―800万円での提供を見込む。初年度は売上高7000万円、2025年度には同1億5000万円を目指す。顧客からの特注品を生産しつつ、今後顧客ニーズを分析し、標準品の開発・販売につなげる。
フジ矢は10月末に子会社「フジ矢テックベトナム」を設立。海外企業が多く立地するドンナイ省ヌンチャック工業団地の貸し工場で、ベトナム人技術者や日本人ら6人で12月末にも事業を始める。ベトナムでの生産体制を構築し、国内で販売される同様の設備の導入費用に比べて2割減での提供を目指す。
システムインテグレーター(SIer)大手が提供するFAシステムの導入費用は1000万円以上と高価。そのためFAシステムの導入をためらう中小経営者は多い。フジ矢テックベトナムの庄子就副社長は「オーバースペックではなく、顧客が求める最低限の機能を実装し提供する」と中小の生産性向上に貢献する考えだ。
(2023/11/20 12:00)
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