産業春秋/ドローンは航空機です

(2023/11/27 05:00)

「ドローンは、ラジコンではなく航空機です」。今後物流などでの利用が期待されるドローン。国際ドローン協会の榎本幸太郎代表理事は、法律で定められた存在であるとあらためて説明する。

航空機となったのは2015年の航空法改正において。その年の4月、首相官邸にドローンが落下した事件が端緒となり法律の範疇(はんちゅう)となった。さらに22年6月には重さ100グラム以上の無人航空機の登録制度が、同12月には技能証明制度がスタートした。「いわば自動車のナンバープレートと運転免許証の位置付け」が導入された。

人手不足の中、物流などでの活用が期待されるが「人口密集地の上空を完全目視外で飛行させるには、一等無人航空機操縦士の技能証明が必要」となる。ラジコン操作の感覚では、安全運航は確保できない。

ただ現在、一等の技能証明を有しているのは全国で180人ほど。河野太郎行政改革担当相はドローン配送の年内事業化を目指すが、操縦士の育成も促したい。

ドローンの機材では中国メーカーが圧倒的な世界シェアを持つ。「中国では子どもの習い事でドローンのプログラミングが人気となっている」ほど。日本も出遅れ挽回へ操縦桿(かん)を握り直したい。

(2023/11/27 05:00)

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