(2024/1/10 17:00)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10日、三菱重工業と共同開発した新型の大型基幹ロケット「H3」試験機2号機に関する会見を開いた。同機を2月15日に打ち上げることが決まり、JAXAの岡田匡史H3プロジェクトマネージャは「再打ち上げを目指して9合目まで来た。2号機は成功させたい」と意気込みを語った。H3試験機1号機の打ち上げ失敗の原因究明を終え、同2号機の打ち上げ成功を目指す。
JAXAはH3試験機1号機の打ち上げ失敗の原因を装置内での過電流の発生といった3つに絞り込み、それぞれの要因について部品の絶縁強化などの対策を同2号機に盛り込んだ。日本では宇宙開発で失敗すると次機の打ち上げまでに数年かかるという課題があったが、H3は1年以内で再度打ち上げる。岡田プロマネは「原因を1つに絞り込まず可能性の高い3つすべてに対策したことで、早期打ち上げにつながった」と強調する。
ただ原因究明は容易ではなく、数十年前に開発された「枯れた技術」を使うことへの判断が問われた。一般的に技術は時代とともに進化するが、宇宙開発では数十年間変わらずに確立している技術が多い。岡田プロマネは「新技術に置き換えることで信頼性向上につながる可能性もある。その判断は難しい」とした。三菱重工業の技術者と検討しつつ、あえて枯れた技術を採用した場面もある。
H3試験機2号機の打ち上げが約1カ月後に迫った。今後は機体の検査を進めつつ、打ち上げ準備作業に移行する予定。
(2024/1/10 17:00)
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