(2024/1/24 05:00)
従業員150人の金属加工業。社員の多能工化と、独自の生産管理システムの開発により生産性を20%向上させた。品質向上とコスト削減を両立し、社員や顧客への適正な利益配分も可能になったという。
まず多能工化。年次が一つ上の先輩社員が新人を教育する体系を整備し、給与体系も能力に応じたものに見直した。多能工化への動機付けとなり、各社員のスキルアップの状況も見える化したという。
生産管理システムは開発に先立ち、プログラミングができる経験者を採用した。3年の現場経験を重ねた上で開発に着手。社内の希望者をシステム開発部門に配置転換する人事も行い、IT人材を育成・確保できた。開発したシステムは外販も行うほどの成果を上げている。
この事例は経団連の2024年版「経営労働政策特別委員会報告」に盛り込まれたトピックス。同報告は24年春闘における経営側の指針や、雇用・労働分野に関する経団連の考え方を示している。
経団連は、中小企業の賃上げ原資を確保する価格転嫁に理解を示す一方、地方経済の活性化には中小の自律的・自発的な生産性向上が不可欠と訴える。中小も持続的な賃上げに向け、事業再生の歩みを進めたい。
(2024/1/24 05:00)
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