(2024/2/5 12:00)
キョウワ(岐阜県関市、臼田龍司社長)は、食品機械、包装機械や自動倉庫・搬送装置のOEM(相手先ブランド)生産を主力とする。2012年に工場を稼働したベトナム部品・機械生産子会社のキョウワベトナム(ホーチミン市)は15年から食品・包装機械の販売・保守・修理も手がける。機械間をつなぐ特注の自動化機器、スイス・ABB製ロボットのシステムも提供している。
「日本とベトナムではビジネスモデルが全く違う」と臼田社長は説く。日本はOEM生産に特化。戦略的に人材を育て機械系・電気系の設計・生産全般を手がける。一貫体制で顧客になくてはならない存在を目指す。
一方、ベトナムでは食品・包装機械の販売が好調だ。日本製はアジア諸国の製品より数倍高価で、同国の景気も減速中。しかし所得が上昇し洋菓子などの需要が伸び、日系を含め食品メーカーは現地で増産投資を進める。
キョウワベトナムの23年12月期の売上高は5億5000万円と前期比で10%伸びた。強みは保守と修理だ。機械は売り切りが一般的な同国で、故障に即対応し、定期的に保守にも訪れる。近く第2工場を稼働し対応力を5割高める計画だ。
もう一つの強みがエンジニアリング力だ。修理・保守で集まるニーズを形にする。現地社員68人中5人が元日本勤務。経験を生かし自動化設備を提案する。23年2月にはABB製ロボットによる搬送システムも現地食品メーカーに納めた。
日系の大手食品メーカーから現地工場向けに調味料の箱詰めとパレットへの積載をするロボットシステムも受注した。現地社員2人がABBの技術研修を受講中。「ABBと組んでベトナムでシステムインテグレーター(SIer)事業も強化する」(臼田社長)方針だ。現地の展示会などでPRを強化している。
日本では人手不足対策で07年からベトナム人を採用し、現在10人が勤務する。当初採用した人材が今の現地の幹部だ。「ベトナム人従業員は超大手の顧客にも尻込みせず意欲的」(同)と期待。今後は日本とベトナムの連携も強化する。
(2024/2/5 12:00)
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