医療機器のデザインに注力、イメージ打破で高級路線へ オートシステム社長・徳安健司氏に聞く

(2024/2/21 12:00)

オートシステム(福岡市西区、徳安健司社長)の主力製品はワイヤハーネスだ。ケーブルの端末を加工して複数本を束ねた製品で、半導体関連設備や医療機器に使われる。さらに工場自動化(FA)向け装置や医療機器を開発し、製造販売する。X線撮影用の撮影台ではデザイナーと連携した自社ブランドを持ち、OEM(相手先ブランド)生産も手がける。徳安社長に装置関連の取り組みを聞いた。

―装置の開発、製造を始めた経緯は。

「1980年代に掃除機用モーターの生産を始めた。生産設備が不具合を起こすたびに技術者を呼ばなければならず、生産が止まってしまうことが課題となった。そこで自社で修理し、改造もできるよう取り組んだ。それが各種装置を設計製作する技術を蓄積する始まりになった。大手メーカーの仕事を受けるようになり、厳しい要求に応えてきた積み重ねが、製造力や設計力を高めた」

―どのように医療機器分野に参入したのですか。

「2000年以降、国内大手メーカーが海外生産を拡大した。モーターも海外生産が進み、モーターの仕事が減少した。人材と設備を生かし、長期的な経営安定につなげるため医療業界への参入を計画した。商談会での縁でX線撮影に使う撮影台のユニットを組み立てる仕事から始めた」

―オートシステムの医療機器の特徴は。

「医療機器のデザインは均一的なイメージがあるが、当社はデザインに力を入れている。自社ブランドは外部デザイナーと連携し、高級機種の位置付けとした。デザイナーには『医療機器のイメージを打破したい』との思いもあった。内装にこだわる病院などにも選ばれている」

―デザイン面以外で強みはありますか。

「手術室などの天井に取り付けてモニターを見やすい位置で保持するモニター懸垂装置も製品化した。位置決めが容易でモーターで操作をアシストするタイプもある。コンパクト化を求められており、挑戦中だ。使い方や要望を聞きながら改良した、操作のしやすさも特徴。海外でも使われる。国内向けは操作性などの付加価値が高い製品を作り、海外向けはベトナムでアジア各地のニーズに合う機器を作っていきたい」

(2024/2/21 12:00)

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