(2024/11/19 17:30)
26年度 兵庫2工場に体制整備
川崎重工業は2026年度に民間航空機エンジン修理・整備(MRO)事業に参入する。航空機エンジン「PW1100G―JM」のMROを開始して整備台数を順次拡大し、31年度までに年間50台以上、事業規模で500億―1000億円を目指す。明石工場(兵庫県明石市)と西神工場(神戸市西区)でエンジンテストセルなど既存設備を活用しつつ、約70億円を投じて体制を整備する。世界的な旅客機需要の増大に伴うMROニーズに対応する。
航空機エンジン「PW1100G―JM」のみを対象にMRO事業を始める。同エンジンは欧エアバスの小型航空機「A320neo」に搭載されている。同エンジンは粉末冶金部品の介在物混入問題に関する追加検査プログラムが必要になったことに伴い、整備台数の増加が見込まれている。
川重は同エンジンの国際共同開発に参画し、新造エンジン向け部品製造や部品修理を手がけてきた。民間航空機エンジンのMRO事業に参入するのは今回が初めて。MRO事業では、西神工場でエンジンの分解や組み立てを、明石工場でエンジン試運転などを実施する方針。川重はロボット事業で培った技術を生かし、組み立てや部品検査などを自動化してコスト低減にも取り組む。
事業開始までに1000点以上にのぼるMROに必要なツールの調達、工場の既存建屋内のレイアウト変更などを実施する。人員体制は31年度までに最大100人を想定し、キャリア採用と防衛部門でのエンジン整備経験を持つ社員の配置転換で整備する。事業開始までに米連邦航空局(FAA)や欧州航空安全機関(EASA)から取得している部品修理に関する認証の範囲拡大と、MROに必要な認証取得を進める。
川重はMRO事業開始後の31年度以降に、PW1100G―JM以外のエンジンのMROも視野に追加投資などを検討する。
(2024/11/19 17:30)
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