(2024/3/25 05:00)
企業による意欲的な賃上げが相次ぎ、株価は4万円を突破したものの、日本の1―3月期の実質成長率はマイナスに転じるとエコノミストは予測する。
日本経済研究センターの「ESPフォーキャスト調査」によると、エコノミスト37人は同期の実質成長率が年率換算でマイナス0・36%に沈むと予測。個人消費は前期比0・03%減、設備投資は同0・17%減とほぼ横ばいながら、輸出が同1・3%減に減少する見通しだ。
足元の株高は円安が寄与している。円安は株高、円高は株安という教科書通りの反応である。だが円安は輸入物価を引き上げ、企業の賃上げの勢いに水を差すマイナス材料になりかねない。6月に定額減税が実施されるものの、実質賃金がいつ増加に転じるかは見通しにくい。
日本経済が良い意味で転機を迎えているのは間違いない。「失われた30年」で停滞していた賃上げ率が大きく上昇し、日銀は政策金利を17年ぶりに引き上げた。海外投資家はこうした変化を好感し株高を支えている。
国内総生産(GDP)の過半を占める個人消費は歴史的賃上げで喚起されるのか、円安に足を引っ張られるのか。内需主導の成長を目指す日本経済の輪郭は、まだぼやけて見える。
(2024/3/25 05:00)
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