(2024/4/18 12:00)
全日本空輸(ANA)は航空便を使ったインターネット通販(EC)向けの新しい物流サービスを立ち上げた。条件次第ではトラック輸送より安価に、関東から中国・四国・九州への翌日配送を実現する。トラック運転手の残業上限規制に伴う「物流の2024年問題」で翌日配送できる範囲が狭まる中、航空輸送でトラック輸送のすき間を埋め、事業拡大を目指す。
EC向け自動出荷システムのロジレス(東京都品川区)と組み、4月から羽田発岡山行きの便を使い、一部のEC事業者向けにサービス提供を始めた。倉庫作業の効率にもよるが、「12時に鹿児島の利用客が注文した商品を18時台の便に載せて翌日届けられる」(ANAカーゴの末原聖常務)。トラックでは不可能な速さだ。
具体的には、EC事業者はロジレスのシステムが入った倉庫に商品を保管。ANAとロジレスのシステム連携により、仕分けや発送作業、貨物スペース予約を一括管理し、時間を短縮する。倉庫内で航空用コンテナに商品を入れて空港へトラック輸送し、そのまま積み込む。デジタル変革(DX)技術でスムーズな輸送を実現する。
航空輸送の運賃はトラックの10倍とも言われるが、「使いようによってはそうではない」と末原常務は話す。同社が目を付けたのは、ガラ空きの昼間の旅客定期便の床下貨物スペースだ。主な取引先のフォワーダー(利用運送事業者)はトラック輸送が基本で、航空便を使うのはトラックを使いづらい朝と夜。このため約80%が空いた状態だった。フル活用すれば、年約125万トンの荷物を運べる。
「これまでも空きスペースを活用したいと思っていた。ロジレスとの連携で活路が開けた」(同)という。
(2024/4/18 12:00)
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