(2024/6/25 17:00)
日本工作機械工業会(日工会)が25日発表した5月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比4・2%増の1245億3000万円と、17カ月ぶりに増加に転じた。うち中国を中心とするアジアが同18・3%増、北米が同9・0%増と外需が全体を押し上げた。地域や業種で状況に差はあるが、稲葉善治日工会会長(ファナック会長)は「全体的に見てこれまで続いていた受注の調整局面から回復局面に向かう転換期に入った」と述べた。
地域別の受注額は、中国が同19・0%増の279億8700万円。前月比は5・4%増と4カ月連続で増加し、14カ月ぶりに270億円を上回った。業種別では一般機械向けが前年同月比14・6%増の98億円、自動車向けが同26・1%増の87億円、電気・精密向けが同22・6%増の65億円と、いずれも2ケタ増となった。
日工会では中国政府による設備更新や消費財の買い替え促進策が需要を喚起しているほか、自動車関連の継続的な投資や、次世代スマートフォン関連向けの投資の増加が考えられると分析。稲葉会長は「現地のスマホや半導体関係が動き出しており、その辺りが受注を引っ張り始めている。政府のインセンティブは全国ベースで動いてきている」とした。
米国は4月に航空・造船・輸送用機械向けの一部案件であったキャンセルの反動増もあり、同6・3%増の236億円。メキシコは一般機械向けが増加し、同56・3%増の23億6600万円だった。
同日発表した2024年7―9月期の工作機械受注予測DI(「増加」と答えた企業の割合から「減少」と答えた企業の割合を引いた値)はマイナス6・8と、24年4―6月期から1・4ポイント改善した。
日工会のヒアリングによると9月時点で明確に受注の回復局面入りを実感できるか会員間で見解が分かれたが、10―12月期以降は多くの会員が前向きに捉えている印象だったという。稲葉会長は「会員間で温度差がまだある。個人的にはこれから少し上向きになっていく様子を感じている」と述べた。
(2024/6/25 17:00)
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