(2024/7/26 05:00)
「非鉄製錬は、10年に1回大儲けすればやっていけるんだ」。非鉄大手のトップは平然としていた。30年もの前、赤字決算について聞いた時のことだ。
当時はベースメタルである銅をはじめ非鉄市況は軒並み落ち込み、円高も進んだことで非鉄各社の業績は振るわなかった。しかし「こういう時が海外鉱山権益の買い時」と言った。安値で権益を獲得すれば、市況が回復した時に大きく利益が得られる。事業の先行きに自信を示していた。
現在外国為替市場は、日米の金利差が縮小するとの観測からやや円高に振れているものの、歴史的な円安にある。国内相対取引の目安となる銅建値は、5月に過去最高を更新した。その一方で、鉱山権益の確保は難しくなっている。
銅は中国などが囲い込みに動く。産出地域はカントリーリスクがある。鉱石品位の高い鉱山は少なく、開発は難地になる。結果、採掘コストが上がる。良質かつ低コストで採掘できる銅鉱山を安価で獲得することは望むべくもない。
経済産業省はこうした状況の打開に動き出した。銅権益獲得への政府の出資比率の上限アップや重要鉱物の探鉱への出資支援を打ち出した。非鉄金属産業は、日本国内になくてはならない。
(2024/7/26 05:00)
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