【早読み特選】薄板→コの字で剛性 東北大などがヘラ機構、ロボハンドに提案

(2024/8/8 17:00)

東北大学の佐伯拓未大学院生と田所諭教授、大阪大学の多田隈建二郎教授らは、硬さを切り替えられるヘラ機構を開発した。ヘラが平らな状態では柔軟に曲がるが、ヘラの両端を曲げてコの字型にすると剛性が高まる。運搬対象の下に差し込む際や降ろす際には柔軟に曲がり、運ぶ際には硬くして重量物を持ち上げられる。ロボットハンドリングなどに提案していく。

  • 柔軟なヘラ機構

ヘラの両端が折れ曲がり、コの字型になる機構を開発した。両端を曲げる関節には回転軸が入るため、軸方向には曲がらない。そこでコの字型の変形ユニットを薄板で連結する構造を設計した。薄板のしなりで柔軟性を担保し、コの字で剛性を確保する。

変形はジェネバ機構を応用した。ピンを回転させ、溝穴に引っかけてサイド板を立ち上げる。さらにカムでヘラの前後方向にスライドさせると関節の凹凸が組み合ってロックする。実験では6キログラムの重りを持ち上げた。

ヘラが曲がると隙間に差し込みやすい。またしならせることでヘラから降ろすこともできる。ただヘラが曲がると重さに負けてしまう課題があった。

重量物をすくい上げられると自動搬送の幅が広がる。自重は底面で受けられるため、重くても容器が頑丈ではない商品が少なくない。ハンドが滑らないよう強く挟むと容器が歪んで見た目を損なう。袋に入った粉物などは変形するため把持や真空吸引が難しかった。容器にダメージを与えない搬送機構が実現すると包装の軽量化につながる。

(2024/8/8 17:00)

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