(2024/8/21 12:00)
アロイ技研(さいたま市岩槻区、白土和弘社長)は、金属ロウ付けの受託加工を手がける。全国的に同業者が少ない中、長年培った経験やノウハウを生かし顧客に合わせたロウ付けを一貫して担っている。約60人の「ロウ付けエキスパート」の従業員をまとめる白土社長に技術や人材育成について聞いた。
―接合方法の提案から加工まで一貫で手がけています。
「高温で溶かした金属を用いて、母材同士を接着する技術がロウ付け。合金のロウ材が母材に浸透すると部品の強度が増す。顧客のニーズに合わせ、接合方法の提案・加工・洗浄まで行っている。ロウ材には銅合金をはじめさまざまな種類があり、それを接合部分に巻くのか、ペースト状にして塗るのかなどを考え、一番良い方法を提案している。薄く小さい精密部品などの接着もでき、小さい物は0・3ミリメートルのパイプのロウ付けもする」
―加工の効率化に対する工夫は。
「多数の母材を水素雰囲気炉で効率良く1回で熱し接合できるよう、母材の形に合わせて設計した自社製の治具を使っている。2020年には自動洗浄機を導入し、有機溶剤を使っても作業者の体に負荷がかからないようにしている。さまざまな形状かつ受注個数も少量から大量まで幅広いため、臨機応変にニーズに応えていく必要がある」
―人材育成では?人として?を重視しています。
「あいさつをはじめとするコミュニケーションの基本的な部分はもちろん、相手の立場に立った物の考え方など、人間力の向上や意識改革につながる育成が大事だと考えている。おのおのが仕事に対し自覚を持ち考えながら取り組んでもらうため、私自身は業務に関して多くの口出しはせず、逆に目の前で起こる人間関係の問題の放置も絶対しないようにしている。しっかり物事にけじめを付けるような人のマネジメントに最大限力を尽くしている」
―企業として目指す姿は。
「自分にしかできないことができるようになっていくことが仕事。それをできる人材になってほしい。自分がやりたくないことでも拒否せず、さまざまな仕事に取り組み、価値ある仕事ができる人材を育てたい」
(2024/8/21 12:00)
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