(2024/8/21 17:00)
南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」が8ー15日に呼びかけられ、2024年のお盆休みは例年とは異なる雰囲気となった。一方でコロナ禍から回復し、円安が後押ししてインバウンド(訪日外国人)が増えたこともあり、観光需要は旺盛だった。記録的な猛暑も続く。こうした덀異変덁が消費に及ぼした影響を振り返る。
マルハニチロは水産缶詰・瓶詰の5ー11日の販売数量が前年同期比45・9%増となった。日清食品も即席麺の売り上げが伸びた。防災への意識が高まったことが背景にある。
JR東海は東海道新幹線について、9ー18日に1日当たり平均439本運転する計画を立てた。しかし南海トラフ地震臨時情報と台風7号の影響で遅れや運休が発生。9ー18日の利用者数は前年同期比では7%増だがコロナ禍前の18年度比では7%減となった。
名古屋鉄道の9ー18日の全線の定期外輸送人数は前年同期比13%増。特に中部国際空港駅(愛知県常滑市)の利用者数は、定期外の乗降者が同89・5%増となった。
コロナ禍からの回復基調に加え、追い風となったのが円安だ。インバウンド需要増で第一三共ヘルスケアのニキビ治療薬「マキロンアクネージュ」は1ー15日の売り上げが同1・5倍だった。大正製薬は風邪薬「パブロンゴールドA」について「コロナ禍前にインバウンド需要を取り込んでいた。落ち込んだ需要が戻ってきた」と説明する。
猛暑を踏まえ、大正製薬は凍らせて飲む清涼飲料水「リポビタンアイススラリー Sports」の生産数量を前年比2倍に増やした。キリンビバレッジの塩分・水分補給飲料「ソルティライチ」の7ー8月の販売量は同1割増となった。
サントリーはお盆期間中の「サントリー生ビール」ブランドの出荷数量が前年比1・8倍となった。「猛暑に加え外出増などの影響があった」と同社は分析する。サッポロビールは「サッポロ生ビール 黒ラベル」の缶製品の増産を検討する。
物価高で節約志向が強まる中、猛暑などが特需を生んでいる。
(2024/8/21 17:00)
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