産業春秋／楽しむことが一番の近道

「楽しむことが一番の近道」。日本記者クラブでの会見で、パリ五輪スケートボード女子ストリートで金メダルに輝いた吉沢恋選手は笑みを浮かべた。難しい技に挑む時、先立つ恐怖に尻込みするより、できなくても楽しむことを心がけているという。

一番の喜びは試合に勝つことより「用意していた技ができたこと」。他の選手は「ライバルというより友だちというのが合っている」。１４歳は、皆でスケボーをするのが一番楽しい。

「金メダルを取れてうれしいなとあらためて実感している。ここまでがんばってきて本当に良かった」。今後はまず、目前の大会に向けて練習する。その先に４年後のロサンゼルス五輪を見据える。

スケボーは「２０歳以上になってくると五輪みたいな大会で活躍するのは難しくなってくると思う」とみている。「それを覆していければ一番いいかな」と言いつつも「下の（世代の）子がこれから追ってくると思う」。

しかし、スケボーをする子が増えてほしいと思う。余裕ができればイベントなどで「スケボーの楽しさ、文化を発信したい」。１０―２０年後は「仕事やコーチとして携わっていけたらな」。常に楽しむことで、輪は大きく広がっていく。