産業春秋/立憲民主、原発は現実路線?

(2024/9/10 05:00)

立憲民主党の綱領に「原発ゼロ社会を1日も早く実現」とある。日本記者クラブで行った討論会で代表選の立候補者は、野田佳彦氏を除いて、その綱領を堅持すべきとした。ただ、現実は認める。

人工知能(AI)の社会実装が進み、電力需要は大きく拡大する。原子力発電所の再稼働は不可欠となり、新設も求められる。泉健太代表は再稼働の必要性に言及した上で「再生可能エネルギー、蓄エネルギー(促進)を」。枝野幸男氏は「明日すぐにゼロではない。廃炉も含めると100年単位のこと」。

吉田晴美氏は「1日も早く」とし、再生エネで「日本発のイノベーションを」とした。3氏とも野田氏が言う「理想を掲げながら現実を」と離れたものでない。

討論会では日米安全保障や物価高対策などが議題となった。ほとんどが政府と真っ向から対立するものでない。“政治とカネ”問題を前面に、現実的な政策で政権交代を目指す構えだ。

自民党総裁選の告示は12日。岸田文雄政権による原発の最大限活用・新増設を各候補者はどこまで引き継ぐのか。候補者の間では多少温度差もあるように映る。経済界ならずとも、各候補が現実的な政策を明確に示すかを注視したい。

(2024/9/10 05:00)

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