インタビュー/愛工舎製作所社長・牛窪洋光氏

(2024/9/11 12:00)

ミキシング、非食品開拓に手応え

愛工舎製作所(埼玉県戸田市、牛窪洋光社長)は、製菓・製パン向けミキサーの製造・販売・輸入を手がける。1938年創業の老舗メーカーで、足元ではミキシング技術を生かして非食品分野にも展開するなど事業の幅を広げている。牛窪社長に現況と成長戦略を聞いた。

―自社の強みは。 

「主力の縦型ミキサーは市場が成熟しており、差別化が難しいのが正直なところ。そこでハードウエアとソフトウエア、サービスをバランス良く提案できることを強みに成長している。例えば海外顧客は日本のおいしい菓子やパンへのニーズが高く、温度管理や真空・加圧具合などのレシピをソフトに一部反映している。さらに修理・メンテナンスが必要な場合は、当社の専門スタッフが迅速かつ丁寧に対応している」

―輸入品の販売も手がけています。

「ドイツの大手オーブンメーカーをはじめとした海外製の機械などを輸入し、製菓・製パンで必要となる設備を一括で提供中だ。輸入品も当社工場で整備し、必要な場合は一部日本仕様に改良して国内顧客が使いやすいようにしている。各種部品もストックしており、修理・メンテナンスにも対応する」

―非食品など他業種での展開状況は。

「非食品向けは、かなり裾野が広い世界。顧客の要望に一つひとつ対応しながらノウハウを身に付けている段階だが、ニーズは確実にあると実感している。例えばミキシング技術で培った手法の一つで、材料や生地に空気を含ませる『エアレーション』については自動車部品などの樹脂材料向けに応用している。空気を入れることによって利用する材料の総量が減り、軽量化に寄与するメリットがある。元々の設計が食品加工向けであることから洗浄しやすく、衛生面でも評価されている。同じ食品分野では、はんぺんなど練り物系での需要が高い」

―海外事業はいかがですか。

「2018年にタイで販売会社を立ち上げ、日系の大手製パンメーカーなどにミキサーを販売している。今後は現地メーカーや食品以外の事業者にも展開したい。将来はタイで部材の調達も担い、日本に輸出できる体制を築きたい」

(2024/9/11 12:00)

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