榊原工業、BCP対策レベルアップ 復旧支援、域外取引先と連携

(2024/10/3 12:00)

  • 坂田工場(愛知県西尾市)は西尾市指定避難所にも認定されている

榊原工業の本社に掲げられているレジリエンス認証・登録番号は「E00000002」。2016年7月に取得した。同社の事業継続計画(BCP)への取り組みは早く、00年に建設した工場には本社の補完機能を持たせた。富山工場(富山県高岡市)は09年に「南海トラフ大地震で太平洋側が打撃を受けたときを想定して建設した」(榊原勝社長)。同工場を核に24年はBCPがもう一段レベルアップすることになりそうだ。

富山工場は取引先に近く、地盤もしっかりしている場所に立地する。能登半島地震で大きな被害を受けず地域や取引先への支援を行った。同社の役員が発生直後に取引先に水や簡易トイレ、水を運搬するキャリアなどを持ち込んだ。「これがきっかけとなり、愛知県で同じことが起こったらどうするかを取引先と考えることになった」(同)。

被災時に各社が早い段階から復旧に動くのは同社が本社を置く愛知県三河地方も同じ。言わずと知れた自動車産業の集積地で榊原社長は「その時、復旧のための資材や人材を大手に取られる可能性がある」と懸念を示す。このため地域外から手当できるように備えが必要で富山工場の取引先を頼ることにした。

復旧に向けて何ができるか。「それを検討するためには現地を確認する必要があるということになった」(同)。富山工場でメンテナンスなどに関わる協力会社が、榊原工業の愛知県内の工場を12月に見学する。災害時の物流ルートや補修設備の確認などチェックすることは多いが、「災害時にどのような支援を仰げるか、具体的な話ができそうだ」(同)と期待を寄せる。

(2024/10/3 12:00)

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