(2024/11/19 12:00)
育児と仕事の両立サポート
三井住友信託銀行は女性社員が活躍できる環境を整えている。育児と仕事の両立をサポートするため、産休から早期に復職した女性社員に対し、毎月5万円分の補助金(ポイント)を支給する制度を導入した。役員がメンターとなって女性社員のキャリア形成を支援する活動も始めた。女性社員が成長する機会を積極的に提供している。
三井住友信託銀行は4月から「両立応援カフェテリアプラン制度」を導入した。子どもが1歳未満で復職した女性社員にひと月当たり5万円分のポイントを1年間付与する。家事代行、宅配、ベビーシッターなど家事や育児の負担軽減や時間短縮を支援するサービスをポイントを使って利用できる。
導入の狙いについて人事部の桜井晶子ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進室室長は「育児休業期間が長いと、どうしてもキャリアの中断に直結する。両立して働くため全面的に支援する姿勢を打ち出した」と話す。制度を利用した社員からは「会社として本気度が見える」と評価の声が上がっている。
同社の育児休業取得期間は女性社員が15カ月程度に対し、男性社員は18日程度。キャリアを中断する期間が長い上に、復職後も時間短縮勤務やノー残業などにより、キャリアステップの制約になることが多い。桜井室長は「男性の育児や家事の参画を進め、フィフティー・フィフティーに持っていくことがゴール」と語る。
女性社員のキャリア形成を直接支援する取り組みも進めている。2021年10月から導入した「サポーター役員制度」は、女性社員が上位職に向けて視座を高め、知識や人脈を拡大するために役員がサポートする制度だ。1人の役員につき女性社員2人を受け持ち、毎月のメンタリングなどを1年を通して行う。これまでに160人が参加。参加者の中から次長や部長級ポストへの登用が増えている。
制度の利点は女性社員だけにとどまらない。経営層である役員も女性社員の働き方の悩みなどを直接聞くことで課題意識を醸成している。もっと働きやすい環境を整備するようにフィードバックの動きが出ており、カフェテリアプラン制度もその一環で生まれた。
サポーター役員制度を経験した社員同士がつながる動きもある。関西圏に勤務する対象者が中心となり、ネットワークを自主的に立ち上げた。キャリア形成や悩みなどを共有し、励まし合っている。サポーター役員制度は?年度に新たな対象者を迎え、活動をスタートする予定だ。
(2024/11/19 12:00)
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