ニデック、牧野フライスに同意なきTOB 完全子会社化目指す 買収総額は2500億円規模

(2024/12/27 12:00)

ニデックは27日、工作機械大手の牧野フライス製作所に対し、2025年4月4日から株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。完全子会社化を目指しており、買収総額は2500億円規模になる可能性がある。ニデックは工作機械事業の30年度売上高を現状比約5倍の6000億円規模とする計画で、1兆円規模の買収も視野に入れ事業を拡大している。23年にはTAKISAWAをTOBによる“同意なき買収”で傘下に収めた。今回も牧野フライスの同意がなくても買収する方針。これに対し牧野フライスは、今後、開示文書などの情報を精査した上で見解を公表する予定だとしている。

ニデックは27日、役員が買収の意向を説明するため牧野フライスを訪問した。意向表明書では、マシニングセンター(MC)や放電加工機などを強みとする牧野フライスと、旋盤や歯車機械、大型機を持つニデックの製品・技術を補完してシナジーを創出できるほか、ニデックの資金力を生かした開発投資や拠点展開なども可能になると訴えている。

ニデックが提案する買い付け額は1株当たり1万1000円。牧野フライス株の26日終値7750円にプレミアム(割増金)を上乗せした。買い付け株式の予定上限はなく、買収総額は2500億円超になる。ニデックは国内外の競争法をクリアする手続きなどを終えた上でTOBを実施する計画だ。

ニデックの買収攻勢について同業の工作機械メーカー幹部は「工作機械メーカーはプレイヤーが多すぎるため、自動車メーカーなどのユーザーの力が強くなることが日本経済のデフレにもつながっている。ニデックが工作機械業界の再編を進めることは、理論的に理解できるが、とにかく規模を大きくしているだけにも見える」との見方を示した。

(2024/12/27 12:00)

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