[ その他 ]
(2016/3/1 05:00)
大企業OBでつくるコンサルタント集団「ATAC(アタック)」が、4月に25周年を迎える。大阪科学技術センターの一組織として中小企業の問題解決に取り組み、経営相談全般のほか新製品開発や品質管理、生産性向上など、さまざまな課題に対応してきた▼誕生した1991年は、バブル崩壊後とはいえ有効求人倍率も比較的高く、特に中小企業は人材確保に頭を悩ませていた。今でこそ国や自治体もOB人材を活用した各種施策を講じているが、大企業で豊富な経験を積んだ人材と中小企業を結びつける取り組みは珍しかった▼時代の先駆者であるATACは、少数精鋭で実績を積み重ねてきた。全国の企業OBグループとのネットワーク作りにも取り組み、2007年から「OB活用全国会議」を主導している。各団体が取り組みを報告し、参考にしながら連携を狙う▼フットワークが軽いのも特徴。11年の東日本大震災後に支援プロジェクトを発足し、現地企業と大阪の中小企業を結びつけるなどの成果を上げた▼少子・高齢化の時代、労働力人口の減少を補うには高齢者や女性の活躍が不可欠だ。高い専門性を持つOB技術者の活用は、日本の製造業の足腰を強くすることにつながる。
(2016/3/1 05:00)